社員の愛する道具たち〜代表取締役会長兼社長 髙宮一雅の道具〜

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つぶやくタカミヤ

社員の愛する道具たち〜代表取締役会長兼社長 髙宮一雅の道具〜

私たちの身の回りにある様々な道具。

日常生活や仕事に欠かせない「道具」やこだわって選び抜いたお気に入りの「道具」、長年の苦楽を共にしてきた愛着ある「道具」や自分自身を解放する癒しや楽しみのための「道具」。

皆さんにも、思い入れのある道具があるのではないでしょうか?

その人の愛する道具を紐解いていくと、
いつも持ち歩いている理由や出会い、思い入れなどを通して、その人自身が見えてきます——。


そして、今回道具を紹介してくれるのはこの方!

代表取締役会長兼社長 髙宮一雅

今回はタカミヤ代表取締役会長兼社長の髙宮一雅に「社長の愛する道具たち」を紹介してもらいました。
企業のトップに立ち、日々会社を牽引する社長が愛する道具とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

美味しい料理を作り出すために欠かせない ~包丁~

まず最初に紹介してもらったのは、包丁。それも和包丁である「出刃」と「柳葉」。
ともに魚をさばき、刺身にする際に必要な包丁であるが、扱いがとても難しく、これらを愛用していること自体が料理好きであることを物語っています。

髙宮:料理は結構しますね。
魚料理はもちろん、和食から洋食、ジャンルにこだわらず料理は一通りやります。
包丁はこの写真以外にも10数本は持っているんですが、長い間使っているので、
もう研げなくなっているものもあります。
柳葉は3本所有していしますが、ここに写っている柳葉はもう限界ですね。

包丁が限界を迎えるということは、どういうことなのでしょうか?

髙宮:包丁は何度も研ぎ続けていくと徐々に刃の幅が細くなっていくんです。
で、刃の位置が峰に近づくにつれて厚みが増すので使いづらい包丁になる。
それが限界を迎えるということです。

ここまで包丁を使い込むには相当な年月を要します。
研ぎはやはりプロである職人に発注しているのでしょうか?

髙宮:いやいや、研ぎは全て自分でしています。
最初の頃は自分の指も一緒に研いでいましたよ(笑)。

やっぱり料理をするときに包丁がよく切れないと上手く作れないんですよ。
美味しいものを作る時にはかなり大事な存在だと思っています。

自分自身の手で料理を作り、愛着のある道具の手入れをする。
限界が来ても、思い入れのある包丁を捨てずに置いてあるところに、
髙宮社長のこだわりを感じました。

楽しいお酒を家族や仲間とともに味わう ~ワインオープナー~

ワイン好きなら必ず持っていると言っても過言ではない、ワインオープナー。その種類はシンプルなものから電動のものまで多岐にわたっています。
写真のワインオープナーは、その中でもソムリエナイフと呼ばれるタイプのもので、プロも愛用する「シャトーラギオール」の逸品です。

髙宮:料理は和食だけではなく洋食ももちろんやりますので、そういう時にワインを開けますね。
お酒は日本酒、焼酎、ウイスキー、ワインなど料理に合わせて飲みますけど、
一番よく飲むのはワインやシャンパンが多いです。
このオープナーでもう1,000本ぐらいは開けてきたかな?

1,000本以上のワインを開けてきたオープナー(髙宮社長撮影)

髙宮:いやいや(笑)
まあ自宅にお客さんを招いてパーティするんですけどね、4~5人だったら10本、10人だったら20本ほどのワインが5~6時間で開いてしまうんです。でも、若い頃から毎晩飲み続けてますね。

髙宮:昔はすごい酒飲みの人がたくさんいてね。
こうして会社をやっていると、取引先とのお付き合いで飲むけど、
社員が何万にもいるようなところの一番酒が強い人が来るわけなの。
で、二人で飲むんだけど、2時間足らずで一升半ぐらいの日本酒をスコーンと開けて。
もう死にそうになるよね…。

そして、お酒の席では様々なことがわかるという宮社長。
飲むと人が変わるのではなく、本当の性格や気質が現れるというのは有名な話ですが、ビジネスを進めていく上でそういったことがとても役に立つそうです。

髙宮:ビジネスの中で相手を見極めるって、その人の二面性とかもあって普通は難しいことだよね。
でも食事をしてお酒を飲んだら、まあ7~8割は本性を現すと思っています。本音も出てくるし。
だからすごく分かるんだよね。相手のことを理解できるというか。
要はその相手の性格が分かってくると面白いのよ。分かった者同士でいろいろ言い合えるし。

でも、二度と酒は行かんとこ、昼間だけにしとこ
っていう人もいるけどね(笑)。

気の合う仲間とお酒を飲みながら楽しい時間を共有するだけでなく、時と場合によっては酩酊しても常にビジネスや取り引きを考えている髙宮社長。
「みんなを楽しませたい」という思いと同時に、どんな時でもビジネスを考えるという二つの思いがひしひしと伝わってきました。

自分自身を高め続けるために己を鍛える ~トレーニングマシン~

1970年代に爆発的なブームとなったぶら下がり健康器ですが、写真のものはぶら下がったり懸垂をするだけでなく腹筋を鍛えることも出来るトレーニングマシン。
今から25年前、30歳を目前にした宮社長が購入し、日々体を鍛えていた道具です。
過去には様々なスポーツを経験し、中でもゴルフはアスリートのように突き詰めてこられた時期もあったそうです。

髙宮:今は足の半月板を痛めてしまってスポーツが出来なかったり、
四十肩でたまにしかぶらさがれていないんだけど、
昔はこれを真面目にやっていたおかげでお腹が出ることはなかったね。
あとは、ゴルフの手袋を洗った後は、絶対これに掛けて干してたよ(笑)。
最近はまた真面目にやらないとな、と思っているけどね。

トレーニングを再開しようとしているその理由はいったい何なのでしょうか?

髙宮:僕が体を鍛えていたのは、いずれどこかで体力が落ちてきて、体の自由がきかなかったり、思うように動けなくなるだろうという危機感を持っていたからなんです。実際に体を痛めてしまったことで、トレーニングの習慣から離れてしまった今、使わない間も捨てることができなかったこの道具ともう一度ちゃんと向き合わないと、と思っています。

髙宮:もう一回トレーニングをして体力と筋肉をつけ直さないとアカンと思っているのは、もう一つ理由があってね。
それは、オシャレが出来ないんだよね。
若い頃はダボっとした服が流行っていたけど、最近はタイトなシルエットが多いでしょ?
もう50歳を過ぎているんだから好きなように服を着たらいいんだけど、
ある程度キチッとした体のラインじゃないと、いい服を着てても面白くないというか楽しくないよね。

60代に向けて基礎体力と筋肉をもう一度最初から身につけていこうと心に決めていると言う髙宮社長は、若い間にスポーツや筋トレをしておくことが重要であると若い人に向けて伝えたいと言います。

髙宮:若い時に筋肉を一度つけておいた方がいいよね。
それは、学生の間や成長期にやっておくと、ある程度は細胞が筋肉を覚えているから。
年を取って筋肉が落ちても戻しやすいんです。
若い頃にそれをつけていない人は、年を取ってからトレーニングをしてもなかなかつきづらい。
筋肉が大きくなりづらいというかね。僕はもともと若い時に筋肉をつけていたから、
やればすぐに締まるし、筋肉も大きくなりますよ。

年を重ねるって悪いことじゃないんだけど、やっぱり年を取っても自分の思うように動き続けていたいし、やりたいことを「やりたい!」って思った時にいつでも出来る状態にしておきたいんだよね。

やはり、健康は最大の財産であり、体作りは最高の投資と言えますね。 

行動指針につながる先人の教えを学び継ぐ ~山岡荘八「織田信長」~

18歳の誕生日に父から贈られたプレゼントである、山岡荘八の歴史小説「織田信長」。
10代の頃は、信長が戦国の世で全国制覇を目指して勝ち上がっていくその姿に胸を躍らせて読んでいたが、歳を重ねるにつれてまた違った面白さや信長の才覚の凄さを感じているそうです。

ご自宅の本棚より(髙宮社長撮影)

髙宮:その頃の日本では当たり前だった戦い方、
兵や騎馬隊が突っ込んでいって玉砕するような戦い方を信長はせずに、
当時珍しかった鉄砲を工夫して使ったり、桶狭間の戦いのように情報を駆使して、
勝つべくして勝つ戦い方をしていたよね。これって、我々のビジネスにも大切なことなんです。

どういうことかというと、日本が好景気に沸くバブル期より前に、大手ゼネコンや建築会社の建設ラッシュで足場の需要が高くなって、全国各地に地場で名を馳せるような足場レンタル業者が乱立したんです。でもバブル崩壊後は、縄張り争いと仕事の取り合い。もう戦国時代の群雄割拠みたいでしたね。

髙宮:今は落ち着きましたけど、この「織田信長」に出てくる図式と
我々の業界の図式が当時はとても似ていたんです。
全国展開を目指して他県へ進出したり地元の仕事を守ったり、隣り合う県の企業が喧嘩してたり。
我々は全国展開をしていましたが西日本を基盤としたナンバーツーの位置でしたから、
これを勝たなければならない。いろいろ戦略を立てて業務提携をしたりしてました。

本当に戦国時代さながらの様相だったのですね。勝ち上がっていくために大切なことはなんだったのでしょうか?

髙宮:そうですね、信長は最高の武器である鉄砲を大量に揃えて兵を訓練して戦いで勝っていたんです。
これ、足場レンタル業界で例えるなら、「絶対的に良い商品を持つ」ということだと思うんです。

絶対的に良い商品をどんどん開発して、どんどん買い揃えていくことで会社の武器を強くしていく。
それに加えて、様々な戦術や戦略を考えて、武器を扱うことができる優秀な人材を揃えたり、育てたりすること。これを今でも目指しているんです。

髙宮:そういう意味では、織田信長の影響を受けていますよね。
一か八かや五分五分ではなく、勝つべくして勝つためには絶対必要なことです。
逆に今は、この業界をどう良くしてレベルを上げていくかに重きを置いています。

争うのではなく、自社の商品やサービスの質を上げて追求していく競争、
つまり『業界の質的発展』を踏まえた事業の拡大が大切なんです。
業界全体の努力がお客さんの喜びに繋がって、
その努力がで出来る企業だけが生き残り勝ち上がっていける時代がすでに始まっています。

歴史は繰り返し、人間もまた同じことを繰り返します。だからこそ歴史から学ぶことは多く、先を読んで備えておくこともできるのです。
バブルの崩壊、リーマンショック、コロナウイルス。これらは約10年おきに現れた世の中やビジネスにおける大きな変化です。ビジネスの世界でも、こうした環境や景気の変化に対応できるように想定しながら動くことやビジネス変換を行うことが重要なのです。

本当に必要な道具を、必要なだけ持っておきたい

髙宮社長の朝は、必ずしっかりした朝食をとることから始まります。野菜や味噌汁、時には魚を焼くこともあります。コーヒーや紅茶とともに新聞を読み、ストレッチを行う。脳と体をしっかり動かして目覚めさせる。多忙な業務を終えた後、夜は時間があれば夫婦で料理をし、美味しい食事を味わい、時にはワインを二人で楽しむ。

こうしたルーティンの中に、社長の愛する道具たちはいつも寄り添ってきました。道具に愛着を持ち、大切に扱い、手入れをして長く使い続ける。今回紹介できなかった思い入れと愛着のある道具たちも、普段は使わなくても時々手に持って眺めて手入れをしています。

髙宮:大事にしていて愛着あるものというのは、思い出があるんだろうね。
大切な取引先をもてなしたパーティとか、経営者としての自分を成長させたきっかけとかいろいろあるよね。

それに、しばらくずっとトレーニングを頑張って腹が出なかったのはこいつ(ぶら下がり健康器)のおかげやと思っているし、またいつかトレーニングを始めたらやっぱりこいつの世話にならないとあかん。

影響を受けた本なんかも、実は子どもにプレゼントしてるんですけどね。
いずれは子ども達から孫へという形でね、
自分が感じたものを次の世代にも伝えていきたいし。
そういう風にできたらいいなと思
っていますね

高級な車や時計も良いとは思うが、必要かといえばそうでもない。虚栄心などはなく、余計なものは必要ない。オフィスにもデスクの上にも余計なものを置きたくない。リラックスをした状態で様々なビジネスアイデアを考える、そのために出来るだけシンプルな空間でありたいと言う。 

自分自身にとって本当に必要な道具を知り、その道具を愛し続けるその姿勢は、めまぐるしく変化するこれからの時代の中でもきっと変わることはないことでしょう。