ここに活きてる!理系魂 〜早川翼 編〜
足場をはじめとする仮設機材や建設資材、農業資材の開発・製造・販売・レンタルを中心に展開しているタカミヤ。これらの事業の根底を支え、現場のニーズを製品にフィードバックさせる重要なポジションが製造や開発を担う部署なのです。
そして、そこで活躍している「理系出身」の社員は、学生時代にどのようなことを学び、研究し、そして今、タカミヤの社員として日々どのようなことを行っているのか。
インタビューを通して、
タカミヤの製品開発を支える「理系魂」をご紹介します!
今回登場する理系魂の持ち主は、開発本部・技術研究所準備室に所属する早川翼さん。
学習院大学大学院、自然科学研究科(化学専攻)を卒業。
在学中は真空蒸着法を用いたガラス状態の熱的変化についての研究をしてきました。
——大学時代に研究されていた真空蒸着法ってどのようなことですか?
早川:真空にした容器の中で、液状の有機化合物を極低温の金属に吹き付けるとすごい速さでくっつくんです。その状態をガラス状態と言うのですが、その様にしてガラス状態を作る方法を真空蒸着法って言うんです。
——文系脳では理解が難しい。
早川:えーっと(笑)、分子とか原子とか液体、固体、気体っていうのは一般的に知られていますよね?固体のようだけど分子配列が液体みたいな・・・つまり、液晶テレビとかで使われている液晶状態に近いようなものの状態から気体だったり固体だったりに変化するときの熱的変化を研究していました。
——こういった化学系に進もうと思ったきっかけは何ですか?
早川:高校時代、卓球部だったんですが、その顧問の先生が化学の先生だったんです。高校はスポーツ推薦で入学したので、その先生とは中学生の時から親しくて、授業も楽しかったんです。大学でもっと詳しく学びたいなと思って専攻しました。
——卓球でアスリートを目指そうとかは思わず?
早川:インターハイも出場ぐらいしかできなかったので、そういう道は厳しいなと思いました(笑)。
——ちなみにプレースタイルは?カットマンとか?
早川:いや~、自分は攻撃型でスピードタイプですね(笑)。
——タカミヤへ入社した動機は?
早川:化学以外にも自然エネルギーとか農業とか自然系のことが好きだったので、太陽光をやっている企業、あとは商品開発をやっているメーカーが希望だったので、絞っていくうちにホリー(後にタカミヤと合併)と出会って決めました。
——大学時代の研究内容とはあまりリンクしないですよね?
早川:大学での研究は「基礎研究」なので、どこかの会社がそのまま活かせるというのはあんまりないかなと思ってたので、勉強は勉強、仕事は仕事って分けてました。
——では、現在のお仕事について教えてください。
早川:「オクトブレース」という座屈拘束ブレースの開発と生産方法の確立を中心にいろいろ技術提案もしています。2年ほど前に商品化したのですが、ずっと開発に関わっていたんです。発売以降は生産方法や原価低減、販売の営業フォローという形で携わっています。
——建築系のお仕事なんですね。
早川:はい、建築はやったことがない分野だったので大変だったんですが、建築やブレース材について東京で2年ぐらい学んだ期間があって、そっちの方が大変でした。
——どういう勉強を?
早川:40年ほどキャリアのある顧問の方について建物の種類から設計までいろいろ教わりました。ブレース材を販売する相手は設計者さんとかなので、そういう知識がないと仕事にならないですよね。
——大学の研究とかなりギャップがありますよね?
早川:そうですね。でも、研究内容との結びつきは弱くても、製品開発とかで失敗をたくさん重ねた時でも「じゃあどうすればいいかな?」って考えるのは、大学の勉強に似ているのかなと思います。
——なるほど、根本的な考え方は同じなんですね~。
早川:それに、開発や金属加工に必要な知識っていうのは建築から色々派生していくんです。開発したブレースに使ったコンクリートは少し化学と関わっていますが、よりレベルの高い溶接などの新しい知識については日々勉強です。
——タカミヤへの入社を希望しようとしている、
理系魂を持つみなさんにアドバイスがあればお願いします。
早川:自分の研究室でやった内容に絡んだ仕事を探す人が多いと思うんですけども、それで探さなくても、新卒だからこそ全く違う仕事もできるのかなぁと思います。なので、ジャンルを絞らずに頑張っていただければと思います。また、開発をするなら、自分の分からないものをなんとなく「これでいいや」って放置しておくのではなく、分かるまでやるということはすごく大切ですよ。
穏やかな雰囲気でお話ししてくれた早川さんですが、自他共に認める負けず嫌いなんだそう。
未知の領域を任されてもポジティブに取り組み、貪欲に知識を吸収し、製品開発につなげていきます。
分からないことを認めた上で分かるまで試行錯誤する姿勢に「理系魂」を感じました。