ここに活きてる!理系魂 〜松本優也 編〜
足場をはじめとする仮設機材や建設資材、農業資材の開発・製造・販売・レンタルを中心に展開しているタカミヤ。これらの事業の根底を支え、現場のニーズを製品にフィードバックさせる重要なポジションが製造や開発を担う部署なのです。
そして、そこで活躍している「理系出身」の社員は、学生時代にどのようなことを学び、研究し、そして今、タカミヤの社員として日々どのようなことを行っているのか。
インタビューを通して、
タカミヤの製品開発を支える「理系魂」をご紹介します!
今回登場する理系魂の持ち主は、開発本部・建築技術室に所属の松本優也さん。
千葉工業大学工学部、機械サイエンス学科を卒業し、
在学中は機械の自動制御について研究をしてきました。
——大学時代に研究されていた自動制御とはどのようなものですか?
松本:レゴブロックってあるじゃないですか?それのプログラムを入力して動かせる市販品を利用して、中高生の子供たちが『力学』を学ぶためのシミュレーションを研究していました。簡単に言うと、センサーのついたレゴブロックの自動車が急に止まったり、車間を開けたりするような自動制御システムを市販品でどこまで子どもたちに説明できるかという研究です。
——面白そうな研究ですね。
松本:モーターで走る車が何かに接近したら自動で止まるという仕組みをプログラムしていました。センサーを2つ搭載して左右の障害物を感知できるようにしたんですが、そのセンサーが180度の範囲を認識できると思っていたら45度しか認識しなかったので、認識できない箇所が多く障害物に衝突してしまうんです。対策として左のセンサーで右のタイヤを制御し、右のセンサーで左のタイヤを制御するシステムにしました。動きはジグザグになりましたが、一応方向転換はできるようになりました。細かく言うとそんな研究です。
——もともとそういう機械関係がやりたくて工学部に入られたのですか?
松本:そうなんです。
父が元々機械とかおもちゃとか何か壊れたら自分で修理するタイプの人だったんです。それで自分も一緒に見ているうちに機械いじりが好きになったんです。
大学の研究や父の影響もあり、理系脳に育っていった松本氏。
何をきっかけにタカミヤに入社しようと思ったのか質問してみました。
——なるほど。タカミヤへの就職を志望したきっかけは何でしたか?
松本:大学の研究室の先輩が今もタカミヤの群馬工場で働いているんですが、その先輩が大学で開催されたOBによる企業説明会でタカミヤの紹介をされていたんです。その時の紹介が魅力的だったため志望しました。
——現在のお仕事はどのようなことをされているんですか?
松本:簡単に言うと、新規部材の開発と既存製品の改良です。例えば、お客様から「軽くて強度のある仮設材が欲しい」や「他社さんの製品を使っているけどもっと使いやすいものが欲しい」などの要望があるんですが、他社で使っているようなものであれば、ある程度の形状が分かりますが、全くないものを新しく作る場合は「新規部材の開発」ということになります。既存製品の改良は、「ここが壊れるから補強が欲しい」という内容が多いですね。
——入社前に思っていた仕事とのギャップってありましたか?
松本:開発ってずっと図面を考えて作ったり直したりして工場に渡すというイメージだったんですが、僕が以前所属していた群馬工場は製造課が間近なので、部材の切断や曲げ、切り抜きなどの加工も開発で考えることがあるんです。かなり現場に近い開発なので、驚いたっちゃ驚きましたね(笑)。
——タカミヤの開発部署はどこも現場に近いんですか?
松本:群馬工場の開発はそんな感じです。東京は建築設計関連の研究ですね。群馬は仮設関係とビニールハウスなどのアグリ関連とか太陽光が多いです。現場がすぐ近くにあるということは形状や加工がどうなっているのかをパッと見に行けるので、機械が好きな人にはとても魅力があると思いますよ。それに、3DCADで出来ても、現場で出来るかどうかは分からないんです。そういう意味では、今のような環境がすごくいいと思っています。
——なるほど。3DCADも使われているんですね。
松本:はい。大学時代に荷重のシミュレーションを学ぶ授業で3DCADを勉強しましたが、今の仕事では2DのCADも使うことが多いです。3DCADとは操作方法がかなり違うので、覚えるまでは苦戦しました。
——ソフトで分からないところは同じ開発の先輩が教えてくれるんですか?
松本:自分で調べることが多いですが、いろいろ依頼が来て忙しくて、あまり時間をかけるわけにいかないときは教えてくれます。先輩はすごく優しいですよ。
——大学時代の研究とはまた違った内容ですよね。共通点はあったりしますか?
松本:びっくりするほどないんです(笑)。ただ、学生時代にやっていた研究は、「あるものの中からしか作れない」という性質だったので、今の仮設の開発という仕事であっても、「あるもので考える」という考え方自体は流用できてますね。既存の金型を使えば原価を抑えて作れるとか。
——最後に、タカミヤへの入社を希望しようとしている、
理系魂を持つみなさんにアドバイスがあればお願いします。
松本:スケジュール管理ができる能力は必要だと思います。マイペースでもいいので、この期間までにここまで進めようとか。大学時代は大雑把だったので、入社してから身に着けました(笑)。大学で機械関係を研究した人は、何かしら絶対に活かせる環境だと思います。図面であったり材料であったり、いろんなところでどれかしらは絶対に絡んでくるので、学んだことは絶対に無駄にはならないですよ!
お客さんからのオーダーに応えて作った橋梁関連の部材が、初めて新製品として発売される予定の松本さん。機械が好きな子供時代から大学の研究を経た今、タカミヤの開発本部で現場の声や要望を日々カタチにしていっています。
時には難題を前に頭を悩ませたり、短期間での納品スケジュールに追われることもありますが、それでも諦めずに先輩の力を借りながらでも考えていこうとする「理系魂」を感じました。